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プラスエリートクラブ

プラスエリートに関する意見・質問

  1. 数学の内容に関する意見・質問

  2. プラスエリートI・A
    Q1. p.62 例題 1 -- 18 について
    p.62 例題 1 -- 18 (2) について, \(x=1\), \(100\) を反例に挙げていますが, 例えば \(x=1-y\) は任意の \(y\) に対して \(x+y\gt 0\) を満たすのではないでしょうか?
    A1.
    (2) の, \(P_{2}: \exists x\{ \forall y\ x+y\gt 0\}\) をもう少し詳しく言うと次のようになります。
    「次のような(実数) \(x\) が存在する。それは, どのような実数 \(y\) に対しても \(x+y\gt 0\) となるような \(x\) である。」
    大切なことは, \(x\) を先に決めて固定してしまうということです。\(x\) を先に決めて固定したあとに, どのような \(y\) をもって来てもつねに \(x+y\gt 0\) が成り立つ, そのような \(x\) はあるかということを聞いています。
     この問題の解答が「偽」になっている通り, そのような \(x\) は存在しません。つまり, どのような \(x\) を選んでそれを固定しても \(y\) として後から \(y\lt -x\) となるように選べば \(x+y\gt 0\) とはならなくなります。
     ちなみに, \(x=1\), 100 は「反例」ではありません。\(x=1\) のときはダメですね。\(x=100\) のときもダメですね。これがダメになるようにどのような \(x\) に対しても「すべての \(y\) で \(x+y\gt 0\) となる」ことはないからダメですね, と言っているわけです。
     質問の 「\(x=1-y\) とすれば・・・・」というのは, \(y\) に応じて \(x\) を決めるので, それは,

    \(\forall y\ \{\exists x \ x+y\gt 0\}\) (これは真. ただし, \(x\), \(y\) は実数)

    に対する例となっています。
    Q2.
    写像については二次関数の導入のところを読んだのですが、例えば、y=axで、y=f(x)とすると、xが定まるとyが定まると書いてありましたが、aも定まらなければyは定まらないと思うのですが。aは定数であるから、無視するという考えならば、そもそも未知数、定数、変数についての定義を教えて下さい。(2019.3.29)
    A2.
     回答ということではないですが, 具体的に二次関数の導入のどのあたりを読んでそのように思えたのでしょうか。
     一般的な答え方になりますが, 「未知数」は方程式などで「値がまだわかっていない数」, 定数は「固定された数」とか「ある文字に注目したときにその文字に依存しない数」、「変数」は「あることがらに注目したときにいろいろな値をとる数」です。
    Q3.
    集合の分野で「空集合はすべての集合の部分集合である」というのがイマイチよく分からないです。言葉の意味が分からないというよりも、そうなる必然性というか、数学的意味がピンとこないです。もう少し具体的に言うと、空集合がすべての集合の部分集合だと、そうでない時と比べて何が起こりうるのか。そもそも、教科書に載っているようなことから演繹できるようなことなのか。ご指導頂けると幸いです。(2019.4.7)
    A3.
    質問者の学年あるいは学習到達度が見えませんので(特に述べなくてもかまいません), 少しきっちりとした説明をしてみます。
     まず, 「集合 \(A\) が集合 \(B\) の部分集合である」ことの定義は,
      任意の \(A\) の要素は \(B\) の要素である
    すなわち,
      \(\forall x\ (x\in A\ \Rightarrow\ x\in B) \qquad \cdots\cdots\,(★)\)
    が成り立つことです。\(A\) が空集合の場合は \(x\in A\) である \(x\) が存在しないので, (★) は成立するので, 「空集合は任意の集合の部分集合」ということになります。(命題 「\(P\) ならば \(Q\)」について, \(P\) を満たすものが存在しない場合はこの命題は真になるというのと同じです。)
     もう少し補足します。(★) が \(A\) が \(B\) の部分集合であることの定義ですが, 逆に \(A\) が \(B\) の部分集合ではないとはどのようなことかというと, (★) を否定すればよいので,
      「少なくとも一つ \(A\) の要素であるが \(B\) の要素ではないものが存在する」
    すなわち,
      「\(\exists x\) (\(x\in A\) かつ \(x\in\!\!\!\!\!\backslash\; B\))」
    となります。\(A\) が空集合の場合は \(x\in A\) である \(x\) が存在しないので, 「\(A\) の要素で \(B\) の要素ではない」ものは存在しません。つまり, (★) の否定が成立しませんので, \(A\) が空集合の場合は, 任意の集合 \(B\) の部分集合ということになります。
    Q4.
    |3xー6|>2x+4 のような問題は、3x-6を場合分けして、解く方法は理解しています。では、なぜ定数の場合のように、|fx|>3?-3<fx<3のように出来ないか?実験してみると、このやり方で出来る問題もありますが、出来ない問題もあったりします。(2019.5.5)
    A4.
    プラスエリートのどこの記述を見ての質問でしょうか?
    Q5.
    p6の絶対値の性質 の3.の記述についてなんですが、これは同1.に適用できて逆も成立しないのでしょうか?(∵絶対値a≧0)(2019.5.28)
    A5.
    一般に、A⇒Bとある場合は、AならばBを言っているにすぎず、逆が成り立たないとまで言っているわけではありません。すなわち、「A⇒B」とあれば、「B⇒A」は成り立たないとまで言っているわけではありません。ご指摘の 3. は逆も成り立ちます。また、|a|≧0なので、3. を1. に含めることも可能ですが、|x|=|a| の形で現れることもありますので、別の式として書いておきました。独立な事項であるわけではありません。
    Q6.
    解答・解説 p.156 章末問題8の解答について
    p.156の中程から抜粋「x(k)=0,1,2,3(1≦k≦n)を満たす{x(n)}(k=1,2,…,n)の組の個数」の表すものが分かりません。解説お願いします。(2019.6.14)
    A6.
    例えば、\(n=5\) くらいで考えてみましょう。
    この場合は、\(X_{n}\) (以下 \(X\) で表す) が 8 以下になる確率を求めることになります。さて、\(X\) が 8 以下になる場合ですが、すべて 1 のカードを取り出した場合でも \(X=5\) となるので、\(X\leqq 8\) となるのは、すべて1の場合と比べてあと3しか増えることが許されません。この増えた部分を \(x_{k}\) で表しています。
    例えば, 「3,2,1,1,1」の順にカードを引けば、\(X=8\) であり \(X\leqq 8\) を満たす。これを1より大きい部分を書き、「2,1,0,0,0」を考えることにしました。このとき、\(k\) 回目に並んだ数を \(x_{k}\) としています。
    この \(x_{k}\) はすべて0以上3以下の値をとり、 $$ x_{1}+x_{2}+x_{3}+x_{4}+x_{5}\leqq 3$$ を満たします。このような \( (x_{1}, x_{2}, x_{3}, x_{4}, x_{5})\) の組の個数が \(X\leqq 8\) となる場合の数です。
    この考え方を一般化して書いてあります。
    Q7.
    例題6-3(3)についての質問です。
    解答では、pk=1/9(10^n-1)を満たす正の整数k,nが存在することを示しています。このとき、1つ目の質問として、解答にはkの存在は明記されていますが、nの存在が明記されていません。解答としては、明記されていないので不十分なのかなと思いましたが、いったいどうしてでしょうか。
    2つ目の質問として、解答での式?において、10^p-1 - 1=plを満たす正の整数lの存在が示されています。この時点で、p,lでkとnを表すことができ、正の整数k,nが存在することは示すことができるのでは無いかと思いました。よって、「ここで・・・」以下の解答を書く理由が理解できませんでした。その理由を教えて頂きたいです。(2019.6.29)
    A7.
    ご質問ありがとうございます。
    1つ目の質問
    確かに、p.423 の下の方でkとnの存在を示すと書いていながら、具体的にkとnの値を表現していないので読みにくいと思います。nについては、次のページを読めば、n=p-1 であり、kについては、l/9 ということになります。「示す」と言っておいてnに相当する部分が出てきてn=の形にしなかったのは読者に余計な負担を与えたかもしれませんので機会があれば追加して書くようにします。
    2つ目の質問
    今度は、逆に、問題文の形にこだわり、あくまで 111・・・11 =p×(整数) の形を作ったということです。ここで以下がないと、111・・・111 の形は出てこないから記しました。
    Q8.
    P56の例の(3)についてですが、aとbの値を決めずに、先にxの値をx=1,-1とかx=2^(1/2)×i,-2^(1/2)×iとか決めれば、命題の真偽が決まる(前者は正、後者は偽)ので、xについての条件と言うこともできるのではないでしょうか?(2019.7.25)
    A8.
    そこには、xの2次方程式が解をもつかどうかの条件と書いてあるので、xに何かを代入するのでは違うことをしていることになります。あくまでも x があるかどうかの問題です。
    Q9.
    p.49の注にある背理法に関して質問です。「あることがらPを証明するときに、Pを否定すると矛盾が生じること」が示せたときに「Pが成立する」として良い理由がわかりません。なぜせすか?(2019.10.19)
    A9.
    ここでの前提ですが、証明したいことは命題ですので、「正しい」か「誤り」のいずれか一方が必ず成り立つものを証明しています。このような場合「P」か「Pの否定」のいずれか一方のみが正しくなります。それは、「Pの否定」の定義が「Pと真偽が逆になる命題」であるからです。
    したがって、「Pの否定」が否定された段階で、「P」か「Pの否定」のどちらかが正しいので、もう一方である「Pが正しい」となります。
    Q10.
    p.76 なぜ対偶は元の命題と真偽が一致するのですか?(2019.10.19)
    A10.
    p.65 に「p ならば q」の真理表が書いてあります。「p ならば q」の対偶「~q ならば ~p」(~p は p の否定を表します) の真理表もこれに一致するのが理由ですが、これは次のように示せます。
    「~q ならば ~ p」が真になるのは、
    q が成り立たない場合は必ず p が成り立たなくなる「q× かつ p×」の場合
    そして、
    「~q」を否定した q が成り立つ場合、すなわち「q ◯」です。このとき、p は◯でも×でもよいのです。これに基づいて「~q ならば ~p 」の真理表を書くと、「p ならば q」の真理表と真理が一致します。
    これが理由です。
    Q11.
    p.83 例にある「yはxの関数である」ことの定義は何ですか?xに対して1つのyを対応させる関係のことを関数と呼ぶのであり、このyはあくまで関係式を満たす数(もの)でしかないのではありませんか?(2019.10.20)
    A11.
    「yはxの関数である」の定義は、その前のページに書いてある通りです。書き直すと、定義域内にあるすべてのxに対し、ただ一つの対応するyが終域内に決まるとき、そのxとyの関係をいいます。
    関数 y=f(x) と書いたとき、この「y=f(x)」の部分は関数関係を表す式と呼ばれることもありますし、この式をもって話の前後によっては「変数yをxの関数である」としている本もあります。
    Q12.
    「整式f(x)が~を満たすときの、f(x)を求めよ」という形の問題を解いていて、整式f(x)とある場合、xは必ず1次以上である必要があるのかと疑問に思い、整式の分野を調べました。単項式も多項式とみなされ、整式とは多項式であると書かれていたので、xの0次(定数)も整式f(x)の内に入るだろうと考えたのですが、その問題の解答ではその可能性は排除されていました。なので、整式f(x)とある場合の定義を教えていただきたいです。(2019.10.21)
    A12.
    「整式」の定義についてですが、そもそも「整式」という用語は文科省用語とされ、その証拠に(というほどでもないですが)英語にこれに対応する言葉はありません。したがって、「整式の意味は文科省に聞いてください」というのが正しい対応かもしれません。
    このようなこともあり、プラスエリートでは、「整式」という用語は用いていません。一瞬、整式という言葉を使ったかもしれませんが、基本的にそのような個所はすべて「多項式」という用語を用いてあります。ですので「整式」は管轄外というスタンスです。
    とはいうものの、入試問題では「整式」という用語を使う傾向にあり、それは細かいところではローカルルールがあるなど様々です。
    ・整式とは多項式のこと (この場合単項式は多項式の特別な場合)
    というのが多数であると思いますが、
    ・多項式は「多」の文字があるので、項が2個以上である。1つの場合は単項式という。そして、単項式と多項式を合わせて整式という。
    このように考えている人たちも少なくありません。また、出版社によっては、長年この定義を採用しているので、今更変えられないというところもあり、このようなところに変更を求めると逆切れされてしまいます。
    さて、いずれにしても定数は多項式ですから、どの解釈でも定数も整式になるはずです。どのような流れででてきた話か分かりかねますので、一般的な答えとしてはこのようになります。
    Q13.
    p68(3)の解説で、aを場合分けをして考えていますが、(2)と同じように,-1≦-aを満たせばよいので1≧aという回答はどうでしょうか。(2019.11.1)
    A13.
    \(-1\leqq -a\) の場合には、\(-a\lt x\lt a\) を満たす \(x\) が存在する場合とそうでない場合があります。それによって成り立つ理由が異なりますので、やはり解答のように分けて書くのがよいかと思います。
    Q14.
    p54、節末問題(113)(1)の√6が無理数であることの証明ですが、解答は6n^2=m^2において、左辺が偶数だから~としていました。自分は、√2の証明における2の部分を6に変えて、左辺が6の倍数だから~としていました。この方法は間違っているのでしょうか?あえて偶数であることに言及されているのは意図のあることだと思うのですが、自分で考えてもわかりませんでした。よろしくお願いします。(2019.11.30)
    A14.
    「左辺が偶数だから」としているのは、2 が素数だからです。この問題の場合、6 の倍数であるからとしてもうまくいくのですが、6 は素数ではないので、「\(mn\) は 6 の倍数だから \(m\), \(n\) の少なくとも一方は 6 の倍数」は誤りですし、「\(m^2\) は 8 の倍数だから \(m\) は 8 の倍数である」も誤りです。素数の場合のときにつねに安全に議論できます。素数でないときは、それ以外の場合も気にしなければならないのであまり好ましい方法とは言えないでしょう。
    Q15.
    p123、節末問題(201)(1)の解説についての質問です。
     y=x^2-6x+3
      =(x-3)^2-6
    の一行目の=と二行目の=は異なる使い方をしている等号であることに注意することと書かれていますが、一行目のものが方程式の=、二行目のものが恒等式の=ということでしょうか?また、異なる使い方であると理解したうえで、何に注意を払えばよいのでしょうか?(2019.12.3)
    A15.
    そのような理解でよいです。異なる意味の「=」を混同して使うと長い式の場合は、理解ができなくなることがあります。この場合ならそれほど心配することはありません。書く人がわかっていればよいと思います。また、そのような書き方をしている書籍もあるかとは思いますが、特にコメントすることはありません。
    Q16.
    p143(208)の解説では、a<0,a=0,0<a<1,a=1,a>1で場合分けされていますが、=の場合を他の場合に含めるのは間違っているのでしょうか?間違ってはいなくても、解答の正確性としては分けた方がいいのでしょうか?また、自分は学校で、場合分けの際は等号は境界の両方に付ける方が忘れなくてよいと指導されたのですが、この本では片方にのみ付けてあります。これにはどういった理由があるのでしょうか?よろしくお願いします。(2019.12.3)
    A16.
    ここでは、例えば \(a=0\) の場合を \(a\lt 0\) の場合に含めて \(a\leqq 0\) としても誤りではありません。どちらがよいかとなると、それは好みだと思いますのでよいと思う方でよいと思います。ときどき、一方を頑なに主張し、譲らない人もいますが、そのような場合はそれにあわせればよいと思います。
    場合分けで、等号はつねに境界の両方につける方がよいとするのは、危険です。両方につけると誤りのこともあるので、それは問題に応じて個々に考えるものだと思います。数学の問題で、「つねにこうすればよい」と言えるものは少ないと思います。
    Q17.
    第5章章末問題11についての質問です。解答解説p162のように、A君がどこかの家で帽子を忘れてくる確率P(E)を余事象の確率として求めた場合、「A君がP君の家でまず帽子を忘れ、R君の家でも帽子を忘れてくる」のような場合の確率も含んでしまいそうな気がしてしまうのですが、そうはならない理由を教えていただきたいです。(2020.2.6)
    A17.
    これは数学の問題というよりは、解釈の問題です。これを出題した大学の原文の通り出題しましたが、P君の家で忘れた場合は、そのまま気がつかず確率1で帰宅するものとするか、帽子を忘れたまま他の家を訪問するときは確率1で気がつかないとして考えてください。
    もちろんこの文章だけでそこまで読み取ることはできるのかと思う人は少なくないと思うので、原文の変更を考えています。
    ここでは、この解釈でそこから先の数学の問題を考えていただければと思います。
    Q18.
    p.86 2.1.3 関数のグラフの平行移動についてです。「点(x,y)がC'上の点であるとは、『x軸方向に-p, y軸方向に-qだけ移動した点がC上の点になる』点である」というのは、理解した後ではなるほどと思うのですが、何かもっとダイレクトなグラフの平行移動の説明はないかと考えました。以下のように、曲線のパラメータ表示で説明するのがより自然に思うのですが、いかがでしょうか。曲線C:(x, y)=(t, f(t))を平行移動して、曲線C':(x, y)=(t+p, f(t)+q)が得られる。パラメータtを消去して、C'をグラフとする関数を求めるとy=f(x-p)+qとなる。(2020.2.24)
    A18.
    もちろん、そのように考えてもかまいません。曲線がパラメータ表示できる場合はその方法でできます。f(x,y)=0 のような場合は別の方法が必要になります。
    Q19.
    別冊回答 p.65 下から8行目「y=xのとき最小になるから」は「y=3のとき最小になるから」の誤植だと思います。訂正一覧に無かったのでご報告です。(2020.3.17)
    A19.
    誤植のご連絡ありがとうございます。ご指摘の通りですので、訂正させいていただきます。
    Q20.
    因数分解の分野についてなのですが、所謂「たすき掛け」のテクニックについての記載がありませんが、記載しない意図はありますでしょうか。(2020.4.7)
    A20.
    たすき掛けの方法は必要ないと判断したからです。因数分解できるものを因数分解するような場合は、そもそも有限個の組み合わせから適当なものを選ぶ作業で、運悪く他の組み合わせを調べても全数調査をすればいずれ見つかるもので、そこに早くたどり着くようになってもらいたいので、たすき掛けを経由しないでできてほしいと考えています。ただし、最初の勢いをつけるのに必要と考える人がいればそれは否定しません。私自身は教えたことはほとんどありません。
    同じ意図で組み立て除法に関する記述もないはずです。
    Q21.
    p48 例題1について本書では有理数の定義に「mとnが互いに素である」ことを含めていませんが、例題1の解答では、有理数は互いに素な2整数の分数で表せることを前提にしています。これはつまり、「ある数を整数同士の分数で表すことができるならば、その数は互いに素な整数同士の分数で表すことができる」ことは、証明なく用いてよいということでしょうか?だとすれば、素因数分解の一意性などのように、当たり前と思えることも証明するのが数学の特徴であるように思うのですが、その違いはどこにあるのでしょうか。(2020.5.8)
    A21.
    まず、有理数が「互いに素である整数」の比で表されることは、p.439【互いに素の性質(5)】に書いてあります。決して当たり前のことではありません。
    一方で、数学では、問われていることがどこに焦点が当たっているかを見抜くことも大切です。これは、数学だけでなく一般の質問においてもそうです。
    例えば、「第2次世界大戦はなぜ起きたのか500字以内で答えよ。」という問題では、500字という制限があるので、明治維新、あるいは太古の昔から説明しては肝心なことにたどり着けません。しかし、明治のときの例えば大日本帝国憲法が全く関係ないとも言えません。ですが、与えられた枠を理解しその中に納めなくてはならないことも大切なのです。
    有理数が「互いに素」である整数の比で表されることは、問題文を読んでそこにスポットが当たっていると判断できるものであれば説明します。しかし、答案のスペースや前後の流れ、あるいはもっと他に重要なことがある場合は、それを既知としてその先に重心を置くべきと考えます。
    Q22.
    p7の注釈4に、この結果はa<0の場合でも正しい、とありましたが、どうしてその結果がa<0の場合でも成り立つのかがわかりません。例えば|x|<=-3のとき、-a<=x<=aに当てはめると3<=x<=-3(3<=xかつx<=-3)となり成り立ちませんし、そもそも絶対値の定義から当てはまるxは存在しない(解なし)のではないかと思いました。常識はずれなことを聞いていたら申し訳ありません。どうか教えていただけませんでしょうか。(2020.6.1)
    A22.
    不等式の場合は、解とは、その不等式を満たす数の集合です。\(3\leqq x\leqq -3\) は、「成り立たない」のではなく、その不等式を満たす \(x\) が「存在しない」が解です。集合で言えば空集合です。
    一方、\(|x|\leqq a (a\lt 0)\) の場合も満たす \(x\) は存在しません。つまり、解の集合は空集合です。ですので、二つの不等式の解は一致するということです。
    Q23.
    p176第二余弦定理の証明についてですが、∠Aが鈍角の場合と鋭角の場合に分けて示されていませんが、これはθ(0°≦θ≦180°)に対して証明の過程の式が鋭角、鈍角の場合でも同じだからですか。(2020.6.9)
    A23.
    ここでは、座標を用いた説明なので、θが鋭角か鈍角かを分ける必要がないので分けていません。
    Q24.
    86ページ C'上の任意の点を(X,Y)とおく。(X,Y)をx軸方向に-p,Y軸方向に-q とY軸方向だけ大文字となってますが誤植ですよね?(2020.7.5)
    A24.
    ご指摘の通り「Y軸方向」ではなく「y軸方向」の誤植です。
    Q25.
    本書p482の7.1.3ですが、平行四辺形の性質に3番目の平行かつ等しいは含まれますか?含まないように思いますが。また、成立条件として定義も含める必要があると思うのですが。 (2020.7.20)
    A25.
    すでに四角形ができていて「1組の対辺が平行かつ長さが等しい」ことは、その四角形が平行四辺形であることと同値です。ここから平行四辺形の定義「2組の対辺が平行」は簡単に示せます。
    また、「成立条件として定義も含める」の意味がよくわからないので、回答は保留させていただきます。
    Q26.
    ご回答ありがとうございます。類書、たとえば昇竜どうの幾何の先生、によるとプラスエリートの表記と平行四辺形の性質、平行四辺形になるための条件が明らかに違います。そのあたり、おざなりでよろしいのですか。どちらが正しいのでしょうか。まさか、多書は知らないなどと言わないでほしいです。本屋でしらべられるのですから。
    何度もすみません。結局、本によっては先生のおっしゃる通り、性質に入れているものもあれば、入れていないものもある、ということなんです。ただ、条件については定義も条件に含まれるわけだから、条件にいれたらいいじゃないか、ということなのですが。先生にとってはどちらでも問題ないのですか。そのあたりの白黒をはっきりされるのが先生の流儀と思えたので。(2020.7.24)
    A26.
    まず、平行四辺形の性質」は代表的なものを一部選択して載せてあるだけです。幾何の性質は、ほぼどれも同じことが言えますが、「平行四辺形の性質」を「平行四辺形であれば成り立つこと」と考えることにしてこれをすべて載せることは多すぎて難しいですし、載せたところであまり意味がありません。中にはほとんど使わないものも含まれるからです。そこで、どこで線を引くかは書く人の判断になると思います。プラスエリートの場合は他書ではどこまで書いてあるかどうかは、ほとんど意識しません。意識していれば、従来の参考書ができていたと思います。さらに、どんなに有名な書籍がこのように書いてあるということであっても、一度こちらで独自に証明して吟味してから必要と判断して掲載します。この方針で、これまで検定教科書の誤りを発見してきました。このような方針ですので、ある書籍には◯◯が書いてあるのに、プラスエリートにはなぜ書いていないのだという指摘があったとしても、他の書籍が掲載している理由がわからないと答えられないこともありますし、繰り返しになりますが、どんなに権威があるという書籍に書かれてあるとしてもそれはプラスエリートに掲載するための動機にはまずなりません。大切なのは権威ではなく、内容です。
    次に、「条件」というのは「平行四辺形になるための条件」のことでしょうか。まず、本書にはそのように記述はしていないので、具体的にどこを指して言っているのかがよくわかりませんでした。もしかするとp.482の「平行四辺形の性質」のことを指しているのかなと思いましたが、例えば、素数の定義として「素数は1と自分自身しか約数にもたない2以上の整数である」が書いてあったとして、次に「素数の性質」として、もう一度同じこと(「素数は 1と自分自身しか約数にもたない2以上の整数という性質をもつ」)を書くのは、書く人の判断ですが、私は避けた方がよいという考えです。
    Q27.
    プラスエリート 350ページ(確率分野)case2について 最終行に 3/7・2/6 と二つの分数の積で求めていますが、独立ではないこのcase2で確率の積を考えていい根拠は何ページを参照すれば良いでしょうか?(2020.9.21)
    A27.
    あえて参照ページを言うとすれば、説明が前後していますが、p.364から始まる条件付確率の説明です。
    後からかけている 2/6 は1回目に白球を取り出したもとで2回目に白球を取り出す条件付確率です。
    Q28.
    Q27の者です。366ページの三行目に、「一般には~」と記述がありますが、この先が成り立つ理由を知りたいです。その直前の例は分かりましたが、それが一般に成り立つ理由についてです。よろしくお願いします。(2020.9.22)
    A28.
    成り立つ理由はありません。それは、それが定義だからです。\(P(A\cap B)=P(A)\times \Box\) の \(\Box\) に相当する部分を \(P_A(B)\) (Aが起こったもとでBが起こる確率) と決めたのです。
    Q29.
    約数の個数や総和問題を掲載していない理由はありますか。(2021.1.14)
    A29.
    プラスエリートIAには、これ以外にも一部掲載されていないものもあります。例えば、組み立て除法などもその一つです。
    載せていないものには、一時的に意識することが必要かもしれないが、そのうちに使わなくなるものや、特別に説明しなくても理解できているであろうもの(例えば、偶数の和は偶数ですが、記載していません)、特にとりあげなくても、それ以降の問題で気にせず使うであろうものなどがあります。
    約数の個数はほとんど自明であるのと中学入試でも現れるという考えではありましたが、気になる人が多いようであれば、改訂のときに追加しようと考えております。
    Q30.
    P55命題と論理の命題の章の例「2つの自然数a,bに対し、a-bは自然数である.」はaとbの条件のように思えるのですが、なぜ命題なのでしょうか。「任意の2つの自然数a,bに対し、a-bは自然数である.」という解釈ということでしょうか。よろしくお願いします。(2021.3.5)
    A30.
    ご指摘の通りです。「任意の2つの自然数」に対する主張なので命題になります。
    例えば、「\(x\gt 1\) ならば \(x\gt 0\)」のように「任意の」は省略されることは多いので、そのあたりは補って読むことも要求されることは多いです。
    もちろん、きちんと「任意の」があれば、誤解されずに、安全に伝えることが出来るのでよいことは確かです。
    Q31.
    高校二年生です。質問です。p11のガウス記号の応用例として挙げられている「N以下の整数で正の整数mの倍数であるものは[N/m]ある」について直感では理解できるのですが、数学的に説明することができません。「割り算の商の数だけ倍数がある」みたいな感じで良いでしょうか。(2021.3.5)
    A31.
    正の整数で \(m\) の倍数であるものは、\(mk\) (\(k\) は正の整数) と表せます。ここでは、\(mk\) は \(N\) 以下なので、$$mk\leqq N$$ すなわち、$$k\leqq \frac{N}{m}$$ を満たします。すなわち、 \(k\) は \(\frac{N}{m}\) 以下の正の整数です。この \(k\) の個数が求めるものですので、 $$(求める個数)=\left(\frac{N}{m} 以下の正の整数の個数\right)=\left[ \frac{N}{m} \right]$$ となります。
    Q32.
    順列と組み合わせの応用の例題5-25に関してなのですが、区別のない3つのグループなのにどうして数が違えば区別のできるグループとして考えて良いのでしょうか?勿論、中に入っている玉の数で見分けられるからだと言うのはわかるのですが、問題文で区別が出来ないと言っているのに、勝手に入っている玉の数で区別してしまっていいのでしょうか?そういうことを考えていたら、そもそも「区別できる」という数学上の定義が分からなくなってしまいました。「区別できる」とはどういう状態を指して、どのような定義がなされた用語なのでしょうか。(2021.3.9)
    A32.
    例えば、9 個のもの(A,B,…,I) を 3 つのグループに分ける場合を考えることにしましょう。
    4 個、3個、2個に分けて、ビニール袋に入れる場合は、4個入れる袋、3個入れる袋、2個入れる袋と言っている時点で袋を区別しています。(4個入れる袋に4個入れる、3個入れる袋に3個入れる、2個入れる袋に2個入れるとすることで、途中が違っても出来上がれば同じというものはありません。)
    これに対して、3個ずつ3つの袋に入れる場合は、個数が同じなので、3個入れる袋、3個入れる袋、3個入れる袋としても同じもの(3個入る袋)があるので同じ個数の袋どうしの区別がなくなります。例えば
    (A,B,C),(D,E,F), (G,H,I) と、これの順番を変えた (D,E,F),(G,H,I),(A,B,C)
    が同じものになってしまいます。並べても同じものが出てくるので 3! で割ります。
    区別できることの数学的な定義はありません。目的に合わせて同じものとみなすかどうかを考えなければなりません。
    Q33.
    P.366の例題5-32(2)に関する質問があります。A市からB村への確率が4/5、A市からC村への確率が1/5より実行犯はB村を通った確率の方が高いのでB村を探した方がよいという解答は誤っていますか。(2021.3.14)
    A33.
    これは設定の問題です。ここの問題では、いずれD町、E町に到達することを前提としました。
    もちろん、B,C で止まっていたり、まだ、B,C にたどり着く前というのであれば、指摘の通り B 村を探した方がよいという解答もあります。
    Q34.
    整数の性質節末問題607-2ですが「a^2がb^2互いに素である時、aとbが互いに素でない」としてa,bが2以上の公約数dを持つので、a^2とb^2は1でない公約数d^2を持つのでa^2とb^2互いに素であることに矛盾する。よってaとbは互いに素。はきちんと背理法で証明できていますか?上手く言えませんが、どこかがおかしくて、なんとなく失敗している気がします。それと対偶を証明することと背理法で証明することの違いを教えてください。(2021.3.17)
    A34.
    正しくできています。
    背理法と対偶を使う証明(対偶法) の違いは、仮定するものにあります。
    以下、P の否定を ~P で表すこととします。
    A ならば B を示すとき、
    ・背理法は A と ~B を仮定して矛盾を導く
    ・対偶法は ~B を仮定して ~A を導く
    のようになります。
    ただし、対偶法で ~A を導くとき、「Aでないから ~Aだ」ということもあって、そうすると、~B と A を使っているので、背理法と似てきます。
    Q35.
    問6-10で質問です。(3)を15xを右辺に移行して3でくくって11と3は互いに素であるから~とお決まりの流れでやったら失敗しました。何故でしょうか?(4)は同様のやり方で問題なく答えが出せたので尚更失敗した理由がわかりません。(2021.3.17)
    A35.
    これはどう失敗したかがわからないので答えにくいです。このような問題は、見かけが違っていてもあっていることはありますので、失敗したものを見ないと答えにくいです。
    Q36.
    P.446の例題6-8に関して質問があります.[整数解の存在に関する定理]の証明と同様の作業で整数解の1つを求めた際,なぜ無数にある整数解のうち, x=-7, y=12 ((x,y)=(38,-65),(-52,89)などではなく)が得られるのでしょうか. 何か意味を持った値なのでしょうか。(2021.3.19)
    A36.
    この方法で、整数解の一つとして何が出て来るかは、途中の割り算の商に依存しますが、途中の割り算の過程、例えば、
    32=13・2+6
    のときの 13・2 は 32 より小さいことを考えると、最終的にはここでは、xはその絶対値が 45より小さく、yはその絶対値が 77 より小さい値が出てきます。
    Q37.
    Q35の質問をした者です。15x+11y=3 11y=3(1-5x) (1) より11と3が互いに素であることから整数kを用いてy=3k x=11k+9 となりました。おそらく答えは違っていると思います。どこでまちがえているのでしょうか?また1つ違う疑問なのですが、今回(1)式から1-5x=11kが出てきたので合同式からxを求めにいって、余りを-2から9にしたのですが、-2のままでないとダメでしょうか?kはyにも影響するので、xの合同式としては同じでも、本問の答えとしてはどちらかが誤っていると思います。どちらに合わせればいいのかわかりません。(2021.3.21)
    A37.
    どこで間違っているかは、
    \(y=3k\) なら、\(1-5x =11k\) であって、同じ \(k\) を用いた \(x=11k+9\) としたことによります。
    \(1-5x=11k\) からは、\(\mod 11\) として
     \(5x≡1\) から、\(x≡9\)
    となりますが、同じ \(k\) を用いて、\(x=11k+9\) とすることはできません。
    これは、余りを \(-2\) から \(9\) に変えたことが原因ではありません。
    \(x=11l+9\) と置くべきですが、この \(l\) も \(k\) に依存するので、この方法では面倒になります。
     \(x≡\cdots\)、\(y≡\cdots\)
    の形では、情報量が欠落しますので (実際はこのように書かれたものの一部が答)よい方法ではありません。
    Q38. new
    p82の内容について。「Xの任意の要素xに対し、Yの要素yがただ1つ定まる。」とき、「yはxの関数である。」といえるということは、例えば左の例(f(5)=2)において「2は5の関数である。」といえるということですか?(2021.3.28)
    A38.
    その場合の 5 は変数ではありませんので、「2 は 5 の関数」とは言いません。
    Q39. new
    p24の1番下に記述されている「どんな多項式も係数が複素数の範囲であれば、1次式の積に因数分解できる」というのは、例えばP(x)=2のような定数項のみの式も因数分解可能ということですか?(2021.4.4)
    A39.
    これは、こちらの設定が不備でした。定数は除きます。ですので、「定数以外のどんな多項式でも」とすべきでした。訂正します。
    Q40. new
    数学1A解答p2の注でnは整数とありますが正の整数ではないでしょうか?nが負の整数のとき、不等式が成り立たないような気がします。(2021.4.5)
    A40.
    ご指摘の通りです。nは「正の」整数に訂正します。
    Q41. new
    I・AのP.422の例題6-3の(2)についてなのですが、pで割った余りがどのようなものになるかを考える.次に,これらをすべてかけたものをpで割った余りに着目すればよい.の部分で、すべてかける ということ(思い付き?)になるのかイマイチわかりません。(p-1)!とpが互いに素ということを見据えてでしょうか?(2021.4.10)
    A41.
    例えば、\(a,b,c,d,e\) は \(1,2,3,4,5\) を並べ替えたものとします。並べ替え方は \(5!\) 通りあるのですが、このとき、どう並べ替えても不変な量には、 \(a+b+c+d+e\) と \(abcde\) があります。
    \(a, 2a,3a,・・・・,(p-1)a\) を \(p\) で割った余りは、\(1,2,3,・・・,p-1\) を並べ替えたものですから、積を考えてみるのも一つの発想です。
    もちろん、\((p-1)!\) と \(p\) が互いに素であることも意識しています。

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